東日本大震災に関する経営影響調査報告
東日本大震災に関する経営影響調査報告
平成23年3月11日に発生した東日本大震災は、被災地においては未曽有の大災害となる一方、全国各地においても、あらゆる経済活動、国民生活において多大な影響が伝えられています。帯広市においても、直接的な被害はほとんどなかったが、災害発生後、間接的な被害が企業経営に表れてきており、その状況について会員企業に緊急調査した結果を報告します。
調査期間
平成23年4月6日~4月13日
調査対象
会員事業所(議員企業、部会評議員) 326社
調査方法
アンケート方式(ファックスによる送付及びファックスによる回答)
回答
102社(回答率31.3%)
調査結果
質問① 業種
| 業種 | 回答数 | 割合 | |
| 1 | 建設業 | 16 | 15.7% |
| 2 | 製造業 | 13 | 12.7% |
| 3 | 運輸業 | 4 | 3.9% |
| 4 | 卸・小売業 | 26 | 25.5% |
| 5 | 宿泊・飲食サービス | 3 | 2.9% |
| 6 | 金融・保険業 | 7 | 6.9% |
| 7 | サービス行 | 20 | 19.6% |
| 8 | その他 | 13 | 12.7% |
| 合計 | 102 | 100.0% |
今回、回答のあった業種別件数は、結果として、当所会員事業所の産業分類割合と、大きな差異のない割合となった。
質問② 今回の震災による御社またはグループ会社(出先含む)への直接・間接的な被害について
| 項目 | 回答数 | 割合 | |
| 1 | 直接・間接的な被害が生じている | 55 | 53.9% |
| 2 | 現在、被害は発生していないが、今後生じることを懸念している | 25 | 24.5% |
| 3 | 今後も被害の発生は見込まれない | 20 | 19.6% |
| 4 | その他 | 1 | 1.0% |
| 質問②の震災による影響では、「被害が生じている」「今後、被害が生じることを懸念している」と回答した企業が合わせて80社78.4%と、予想以上の影響が生じていることがわかった。 その内、すでに「被害が生じている」企業は、55社53.9%と半数を超え、「今後、被害が生じることを懸念している」企業は、25社24.5%となっている。特に、製造業、宿泊・飲食サービスではすべての企業で、卸・小売業では96.2%と、高い割合ですでに被害が生じているか、生じることが懸念されるとしている一方、建設業では68.8%、サービス業で65.0%、その他で53.8%と、被害状況が限定的となっていることがわかった。 |
質問③ 御社への被害の内容について、近いものを教えて下さい。(複数回答可
| 項目 | 回答数 | 割合 | |
|
1 |
御社またはグループ会社(出先含む)の従業員が被災 | 2 | 2.0% |
|
2 |
御社またはグループ会社(出先含む)の事務所、工場、倉庫等が被災 | 4 | 3.9% |
| 3 | 電力・ガス・水道等の供給不足により、生産活動や営業活動に支障が生じている | 4 | 3.9% |
| 4 | 原材料等の仕入先の被災により、生産活動や営業活動に支障が生じている | 43 | 42.2% |
| 5 | 物流の混乱により、生産活動や営業活動に支障が生じている | 40 | 39.2% |
| 6 | 顧客の被災により、売り上げが減少している | 9 | 8.8% |
| 7 | 自粛に伴う消費低迷により、売り上げが減少している | 23 | 22.5% |
| 8 | 海外・道外観光客の減少により、売り上げが減少している | 7 | 6.9% |
| 9 | その他 | 9 | 8.8% |
《その他コメント》
[建設業]
・資材の不足、値上がり
・直接施工している現場の資材が津波により流失した
・厚内漁港の工事現場で、津波により資材が流出した。流出した資材納入のために、工期が延伸した。被害総額は約270万円
[製造業]
・海外輸出製品へのオファーの減少
・原材料の一部で入荷できないものがある
[卸・小売業]
・原発の風評被害による消費者の懸念
[金融・保険業]
・弊社及び取引先での被害について、あまり聞いていないが、地震への備えは必要と考えている
・取引先の業況不振
[その他]
・生産地、工場などの災害により、農産物や資材確保できず
| 質問③の被害の内容では、全体で「原材料等の仕入先の被災により、生産活動や営業活動に支障が生じている」が43社42.2%と最も多く、次いで「物流の混乱により、生産活動や営業活動に支障が生じている」が40社39.2%、「自粛に伴う消費低迷により、売り上げが減少している」が23社22.5%となっている。業種別にみると、「物流の混乱により、生産活動や営業活動に支障が生じている」と回答している割合が、製造業で69.2%、卸・小売業で65.4%と高くなっている。また、宿泊・飲食サービスでは、すべての企業が「自粛に伴う消費低迷により、売り上げが減少している」と回答している。 |
質問④ 今回の震災に対する御社の対応(予定を含む)について教えて下さい。(複数回答可)
| 項目 | 回答数 | 割合 | |
| 1 | 被災した御社またはグループ会社(出先含む)の施設等の復旧活動 | 3 | 2.9% |
| 2 | 被災した取引先企業への支援を実施 | 8 | 7.8% |
| 3 | 被災地全体への支援活動を実施 | 34 | 33.3% |
| 4 | 御社の売上減少に対応する為の運転資金の準備 | 16 | 15.7% |
| 5 | 代替仕入先、代替販売先の確保 | 26 | 25.5% |
| 6 | その他 | 12 | 11.8% |
《その他コメント》
[建設業]
・厚内漁港の復旧支援活動を検討中
[運輸業]
・義援金での支援活動(募金も含め)
・更なる経費の削減
[宿泊・飲食サービス]
・見舞金
[金融・保険業]
・義援金
・取引先への支援
[サービス業]
・同業種組織団体への支援活動実施
・何もなし、今まで通り
・当業界の全国組織があり、要請があれば対応
[その他]
・間接的に応援したい
・被災した同事業者への支援を実施
| 質問④の震災への対応では、全体で「被災地全体への支援活動を実施」している企業が34社33.3%と最も多かった。自社の経営に対する影響への対応として、「代替仕入先、代替販売先の確保」が製造業、建設業で多く、全体で26社25.5%となっているほか、「御社の売上減少に対応する為の運転資金の準備」では、全体で16社15.7%となっている。 |
質問⑤ 上記以外の、御社の現状および対応状況に関する事についてご記入ください。
[建設業]
・鋼管類及び塩ビ製品に値上げの要請がある。15%~20%UP
・今後、機器製品、陶器製品などにも価格改訂の懸念が心配される。
・帯広建設業協会の一員として支援物資の提供などに協力している。また会社として義援金の寄付を考えている。
・ハローワークを通し、「震災被災者の雇用支援」として求人の申請をしている。
・震災被害者の雇用支援として、求人をハローワークに申請している。赴任退職時の帰省旅費支給。単身者用寄宿舎、世帯用宿舎を無償貸与
・帯広建設業協会を通し、燃料、生活物資などを支援。物資の輸送時に職員を派遣した。
[製造業]
・今はまだ現状のままだが、材料の値上がりに不安で在庫確保
・住宅関連の仕事なので、住宅建築の資材の欠落による建設の減少による製材の販売不振が出てきている。
・仕入材料の確保に不安を感じます。早目の注文で今のところは対応しておりますが、今後はさらに品薄と遅れが予想され、業務に支障が出てくる と思われます。
・被災地に託し、上部団体を通じ、支援意思のあることを伝達
[運輸業]
・津波による構内、車両の修理に部品が手配できない。
[卸・小売業]
・商品の入荷が遅れている(半月)
・消費者の買い占めによる品薄から原材料の価格高騰、品薄が発生している。
・取扱商品の仕入れの納期が遅れることが心配されますが、その都度、お客様に理解していただき、対応しています。
・商品の入荷が通常より2日~3日遅くなっています。
[金融・保険業]
・募金活動の継続
・引き続き、被災した取引先企業への支援を続けていきます。
[サービス業]
・東日本大震災による直接間接の被害はないが、買い控えによる売り上げ減少を懸念している。
・100V28Aの発電機を2台購入したが、もっと大型で200V対応も検討中。ガソリンの買い置きが出来ない。
・納期を遅らせるなど顧客に説明している
・観光、商用利用客の激減により道内、地方への利用促進、営業を強化している。
・当社としては、義援金を出す。
[その他]
・景気低速です。
・東北地方への転勤が中止になり、退去のキャンセルが数件発生
・アパマンショップのネットワークで「災害時住宅支援検索サイト」に空室物件の登録
・当クリニックより医師会を通じて義援金とした。
・今後どのような支障が生じるかわからない。
質問⑥ 行政機関等に対して要望事項がございましたらご記入ください。
[建設業]
・原材料の高騰の折には設計変更なども考えてほしい。
・被災者の一時受け入れに、北海道はもとより、帯広が積極的に行動を起こしてはどうでしょう。被災者に一日も早くライフラインの揃った避難所を提供し、心身のケアに勤め、今後の生活設計などを考える場所とならないでしょうか。
・仕事を求めている被災者が、ハローワークに出向くのではなく、避難所に求人情報を掲示したり、検索できるパソコンを設置するなど十分に情報が伝わるような対応を望みます。
[製造業]
・補助事業に対する補助資金の追加などを増やして業界の活性化を図ってほしい。
・原発事故の早期解決
・被災地の早期復興
・被災者への早期援助
・放射能の影響がないことをしっかりとアナウンスにほしい
・被災地の失業者の雇用を検討しているが、適性のある人材をどのように見つけられるか教えてほしい。
[運輸業]
・地域経済を維持させるため、イベント自粛に対する呼びかけを積極的に行い、自粛ムードを改善させるように働きかけが必要と感じる。
[卸・小売業]
・今までの災害を教訓として、すぐに行動できる援助システムを作っておくべき。災害の大きさによって5段階程度の復興基準を作成し、実行部隊、後方支援など考えておくべき。
・早い復興、再生と復興予算も早急に決定してください。
[宿泊・飲食サービス]
・そろそろ自粛ムードからの脱却に動き出してほしい。
[金融・保険業]
・震災時の広報体制の充実、経営上の資金確保
・各業種で今後、運転資金の必要性があり、北海道信用保証業界での別枠設備も依頼してほしい。
[サービス業]
・被災地の復興には手早い手厚い支援・義援が必要と思うが、東電原発問題では、危険度合を明確に国内外に告知をする。風評被害は良くない!
・上下水道の整備
・復興財源の確保のため北海道、十勝の公共事業費を削減しないでほしい。
・イベントなどの自粛に対する対応策を考えてほしい
・早く被災地の子供たち、人々たちの支援をお願いしたい。私の家一間開いております、身寄りのない子供を受ける体制あり。
・間接的な消費自粛は経済被害にもなることと思います。消費を通じて被災地・者を支援ができるよう推進してほしい。
[その他]
・長時間協力していく
・義援金を早く被災者の救済に使って欲しい。
・増税、景気悪化とならない対応をお願いする
・復興の妨げになっているのは、原子力発電事故。国は第一原発は廃炉する方針を明確に示し、その上で被害の拡大を防ぐべき。継続使用しなければ、根本的な対策がとれるのではないか。
問い合わせ
本調査報告書に関する問い合わせは下記までお願いします。
帯広商工会議所 経営相談課 TEL0155-25-7121 keieisodan@occi.or.jp




